高血圧の症状と原因

高血圧の原因
高血圧とは、心臓から全身に送り出している血液の圧力が基準値以上である状態が続いている事を言います。厚生労働省によると、50歳代で2人に1人、60歳代で3人に2人、70歳代になると何と4人に3人の人が高血圧症であるとされており、 高血圧は国民病といわれるほど加齢とともに多くの方が掛かる病気の症状です。 高血圧の原因は、人によって様々ですが、主に遺伝と生活習慣によるものと考えられています。 遺伝的な要因の場合には、父親、または、母親のどちらかが高血圧の症状があれば二割から五割の確率で、両親ともに高血圧の症状があれば5~7割の確率で、子供にも高血圧が遺伝するとされています。また、生活習慣が原因と考えられる場合は以下の項目に当てはまる場合が多く見られます。

【 高血圧になりやすい生活習慣 】

・塩分の摂りすぎ
・肥満
・過剰なストレス
・大量のアルコール摂取
・煙草の吸い過ぎ
・運動不足 など

特に遺伝的な要因が考えられる人は、上記のような生活習慣と重なった場合、非常に高い確率で高血圧の症状を発症するので特に注意が必要です。また、これ意外にも体の異常や( 具体的な原因としては、腎臓の病気やホルモンの異常、血管系の疾患や薬の副作用、加齢 ( 年をとると血管も老化します。手足など体の末梢神経も、硬くなったり、細くなったりすることで血流が悪くなる動脈硬化が、高血圧の原因になります。) や環境の変化 ( 特に気温の変化に血圧は敏感で、寒いと、血管が収縮します。着ているものも重くなります。そうしたことが血圧の上昇を招きます。 ) も高血圧になる要因と考えられています。


高血圧の症状
高血圧には、これといった自覚症状がありません。しかし、放置することで生命の危険に直結する重大な病気を発症する危険な状態であることを自覚する必要性があります。 欧米では高血圧の事を、サイレント・キラー( 静かなる殺人者 )と呼ぶほど恐ろしい症状だと云うことをご理解ください。また、これといった自覚症状のない高血圧ですが、慢性的な 頭痛・頭重・肩こり・のぼせ感・動悸・めまいなどを感じる場合は、高血圧症の高い可能性があります。 高血圧の人は、知らないうちに脳・心臓・腎臓に重大な悪影響を与え、合併症を引き起こし致命的なダメージを受ける恐ろしい症状ですので、早めに医師の適切な治療を受ける事をオススメします。

【 高血圧によって引き起こされる合併症 】

■ 脳
・くも膜下出血 ・脳梗塞
■ 心臓
・狭心症 ・心筋梗塞 ・心肥大 ・心不全
■ 腎臓
・ 腎硬化症 ・ 腎不全 ・尿毒症
■ 大動脈
・大動脈瘤 ・大動脈瘤破裂
■ 目
・視覚障害 ・眼底出血
■ 足
・血流障害 ・間欠性跛行 など

高血圧症への対処と治療

高血圧の治療は生活習慣の改善が大切!
高血圧の治療の目的は、血圧を下げることそのものではなく、将来に起こりうる心臓や血管の病気、また脳卒中や脳梗塞などの重大な病気を防ぐ事が最も重要なポイントです。また、既に 高血圧で、腎不全や心不全、糖尿病など、他の病気を持っている場合にも、高血圧と並行してそれらの治療が進められます。多くの生活習慣病は、表面にあらわれた病気は違っていても、危険因子のいくつかは共通しているので、高血圧の治療と同時に並行して他の病気と合わせて治療していくことでより治療の効果を高めることができます。高血圧の治療は 降圧薬による薬物治療と同時に生活習慣の改善を抜きにして考えることはできません。生活習慣が改善されることによって、血圧を確実に下げる効果があることが厚生労働省の調査でもハッキリわかっています。

【 生活習慣の改善ポイント 】


■ 食塩摂取量を制限する
塩分は人の体に必要な成分です。しかし、体に必要なある一定量を超える塩分を摂取してしまうと、その濃度を薄めようとするため、体が水分を欲しくなります。このため余分な塩分と水分の摂取により体液( 血液 )が増えるため、心臓や血管の許容する一定の容量を超えて血管内の圧力上昇に繋がります。

■ 適正体重を維持する
太っている人は、体重を支える為に、体にストレスがかかり交感神経が優位になって血圧が高めになるといわれています。さらに若いころは標準体重で成人になって太ってくる人の高血圧症の発生率は標準体重を維持している人の4~5倍といわれており特に注意が必要です。中でも、もともと高血圧症の遺伝的素因をもっている人は、太れば高血圧症に確実になると考えてよいでしょう。しかし、体重を1Kgでも2Kgでも痩せれば、血圧はその分、確実に低下します。肥満状態を治さなず降圧剤をのみを続けていても思うように薬が効かない場合がよくあります。また、高血圧で太っている人は、高血圧でも太っていない人や血圧が高くなくて太っている人に比べて、心筋梗塞にかかりやすいことがハッキリしています。太っていること自体が心臓に負担をかけるだけでなく、体内にたまった塩分も排泄されにくくなり、さらに肉体的・精神的ストレスが加わることで不慮に血圧が上昇しやすいので適正体重の体型を維持するように努力が必要です。

■ アルコール摂取量は適量で
適量範囲でのアルコール摂取は、気分を良くしたり、ストレスを解消したりと健康面に悪い事はありません。実際にアルコール摂取による血圧上昇のメカニズムはまだ明らかに解明されていません。しかし、長期にわたって頻回にアルコール摂取をする人は、アルコール摂取の少ない人や慢性的に摂取しない人に比べて血圧が高いケースが多いと統計的に証明されています。これはアルコール自体が悪いわけではないにしても、飲酒の際のおつまみの中の塩分が影響しているのではないかと考えられています。おつまみによくあるスナック菓子や、ナッツ類、乾き物などは塩分を過剰に摂取する食物であるため注意が必要です。また、長期間のアルコール過剰摂取は、体内のカリウム、カルシウム、マグネシウムの欠乏をきたし血圧が上昇する要因になると考えられていますので、アルコールの摂取自体もほどほどにする必要があります。

■ 適度な運動を行う
「高血圧の予防・改善に運動が良い」と言われています。運動が血圧に与える影響として

・心臓や肺の働きを向上させる
・血液の循環をよくする
・体脂肪を減少させる→肥満防止(肥満は高血圧の一因になります)
・血圧を下げる物質が増加する
・血管の弾力性が増す

などの効果が期待出来ます。 ただし、高血圧の人が運動を行う場合は運動による血圧上昇のリスクもありますので血圧上昇につながる危険性の高い急激な負荷の掛かる運動は避ける必要があります。オススメは比較的ゆっくりで酸素を取り込みながらできる有酸素運動で、ウォーキングやゆっくりとした水泳、平らなところでのサイクリング、エアロビクスなどです。


■ 禁煙する
タバコを吸うと、それだけで血圧が上昇します。タバコを吸うとすぐに血圧は急上昇して、タバコを吸っている間、血圧が上がった状態がずっと続いてしまいます。これはタバコにふくまれているニコチンが、副腎髄質を刺激することで、アドレナリンやノルアドレナリンというホルモンがたくさん分泌されてしまうからです。アドレナリンは、神経を興奮させる脳内神経伝達物質のひとつで、心臓の働きを強めて血圧を上げ、気管を拡張させたり、心臓の働きを強めます。また、血糖量(血液の中のブドウ糖の量)を高めて、血糖量の調節を行ったりします。またノルアドレナリンは、神経を興奮させる脳内神経伝達物質のひとつで、交感神経を刺激して、血圧や心拍数を上昇、血液の中のコレステロールの増加、不安や恐怖を引き起こす、覚醒、集中、記憶、積極性、痛みを感じなくするなどの働きがあります。喫煙は急激な血圧上昇に直結しますので、高血圧の人は喫煙の危険性を認識する必要があります。

※ 当クリニックで禁煙外来を実施しています。  禁煙外来のページ


■ 脂質( 飽和脂肪酸やコレステロール )の摂取量を制限する
脂肪には、飽和脂肪と不飽和脂肪がありますが高血圧症の人は、飽和脂肪酸の摂取に注意する必要があります。不飽和脂肪は血液中のコレステロール濃度を下げる効果がありますが、飽和脂肪酸は逆にコレステロール濃度を高めてしまいます。それは不飽和脂肪は常温下では液体のままなのに対して飽和脂肪は常温下で固まってしまう特性があるからです。コレステロールは生体に不可欠な物質であり、生体内で重要な働きをしているのですが余分なコレステロールは血管内壁にへばりついて血栓となり血圧上昇につながりますので脂質の多い食事は控えるようにしましょう。

高血圧は、それ自体は特に問題となりませんが生命の危機に直結する重篤な病気の危険因子です。薬による治療も可能ですが血圧を下げる高圧剤には 副作用があります。出来る限り薬物治療に頼らず、生活習慣の改善で血圧を下げる事ができますので、健康的な生活で血圧を下げる努力をしましょう。高血圧と診断された方は、定期的に健康診断を受診し医師の指導にしたがって食事や運動を継続し続ける事が大切です。


※ 高血圧の予防と治療について、ご不明な点がありましたらお気軽にクリニックまでお尋ね下さい。

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